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2009年9月28日(毎日スキルアップ通信で紹介)
2時間でわかる!「モノ」を売るな!「体験」を売れ!
  藤村正宏 1,365円(インデックス・コミュニケーションズ 2009.2.28第18刷)
  
 日曜日、特に何もすることがないときは、家でブログを書いたり、メルマガの仕込みを行います。ときどき、外に妻と買い物に行きます。

 昨日は妻が仕事で大きな山場を迎えており昼から会社に行くと言うので、それなら力をつけなきゃということになり、近くのファミリーレストランでブランチをとることにしました。

 そのお店は、ファミレスのなかでも値段はちょっと高めで、どちらかというと雰囲気を大切にする店です。
 でも、価格で勝負するファミレスやファーストフードがまわりにたくさん立ち並んだことから、高級志向だけではやっていけないと判断したらしく、お昼のランチは以前よりかなり安くなっています。
 昨日、気がついたら、私たちのテーブルの脇に「ちょいがけカレーソース100円」とか「88円サラダ」、「88円スイーツ」などの添え物が紹介されたメニューがスタンドに立て掛けてありました。

 妻が、これは女性のスタッフが考えたに違いないと言います。
 確かに、レストランのメニューではどうしてもおかずの種類が少なくなり、家庭のようにいろいろな小皿を出して食卓を賑やかにすることができません。

 その心理を突いた戦略なのでしょう。
 
 今はいろいろな業種で売れる仕掛けをつくっていかなければ競争で生き延びることはできません。



【1】経験、体験を売る

 ところで、そのファミレスについて最近気になることがあります。
 お店の名前を便宜上「R店」としておきましょう。
 「R店」が低価格路線を打ち出したのはよいのですが、お昼の繁忙期にウエイトレスさんの数が以前より少ないような気がします。

 市内にはファミレスで24時間営業で最低価格の店「J店」があります。

 そこは味はそこそこなののですが、徹底的に人件費を切り詰めていて、お客さんは多いのだけれど、前のお客さんが食べた後の汚れた皿がいつまでもテーブルに載っていても取りに来ないし、ブザーを鳴らしてもなかなか注文を聞きに来てくれないというような店です。そういう路線なのだからとお客さんも心得たもので文句を言う人はいません。
 深夜は若い人たちの社交場と化し賑わっているようです。

 R店にもそれに近いづいているのではないかと心配です。
 実は一昨日もR店に娘と行ったのですが、そのとき両隣の空いたテーブルにいつまでも前に食べたお客さんの皿が残っていました。


 R店は明らかに戦略を間違っています。
 レストランはモノを食べるところという考えに凝り固まっているのではないでしょうか。


 R店は市内の目抜き通りに面していて、2階の窓から並木道を眺めながら食事をとることができます。

 室内は少し照明を落とし、天井からシャンデリアの明かりが暖色系の壁を照らし落ち着いた雰囲気を出しています。

 妻はときどき休みの日に女友達と朝食を食べに行くのですが、その店でおしゃべりを3時間ぐらいして帰ってきます。

 R店にはお腹を満たすだけでなく、街中の洒落たレストランで会話を楽しむために行くのです。

 R店は「モノ」だけでなく「経験」や「体験」を売る店であることを忘れてはいけないと思います。

 昨日ブログで紹介した「相席」としたため失敗した観覧車の経営と同じですね。



【2】エクスペリエンス・マーケティング

 本日紹介する藤村正宏さんは水族館、博物館、テーマパーク、レストランなどの企画設計に携わり、数々の集客力のある施設をつくっていきました。

 藤村さんは映画や演劇製作を経験しており、それらのエンターテイメントの要素を企画に盛り込んだことが集客成功の要因と自ら述べています。

 お店が売れるためには、ヒトの潜在意識に影響する要素を取り入れていく必要があります。

 以前、このメルマガでスターバックスの成功はイマジネーションによるものだという話をしました。

 最初に店に入ったときコーヒーのよい香りがして、BGMもエスプレッソ・マシンのたてる音や新鮮な豆をスコップですくう音がかき消されない程度の音量で流れています。

 スターバックスでは顧客が目にし、、耳にし、触り、匂い、味わうすべてのものの質を高めることに最新の注意が払われています。


 私はスターバックスのコーヒーは苦くてあまり好きではありません。
 R店のドリンクバーで自ら入れるコーヒーの方が優しい味で日本人の好みにも合っているように思えます。

 それでも、スターバックスならでは体験がR店では味わえません。


 スタバの内装は目に優しく、落ち着く色で、立地も街の景観との調和を重視しています。
 テーブルやカウンターのデザインや素材にもこだわり、いかにも都会的なカフェバーの雰囲気を醸し出しています。

 スターバックスはイタリアでの美しいロマンチックな日常とエスプレッソ・バーをイタリア以外の国でも再現できないだろうかという着想のもとに創業者が始めた店です。

 その着想が成功し、全世界にスタバは広がっています。

 仕事で上海に行ったとき、中国の通訳の方が、日本円に換算してもそれ以上の価格でコーヒーを飲ませる現地のスタバは中国の若者にとって特別の意味合いがあると説明していました。

 スタバでコーヒーを飲むことは、上海で成功したビジネスマンの象徴なのだそうです。
 あるいは意中の彼女のハートを射止めるための最高の舞台なのだそうです。

 スタバはコーヒーというモノを手に入れるために行くところではありません。
 「モノ」ではなく「体験」を買いに行くところなのです。

 街中の観覧車は、高いところから景色を見るためにあるのではなく、カップルが現実世界から少しだけ離れ、夢のような時間を過ごすことができるよう観覧料をとっているのです。

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