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2月28日〜3月4日(毎日スキルアップ通信で紹介)

「羊のリーダーで終わるか ライオンリーダーになるか」

■■    皆木和義 市川周            ■■
■■    (中経出版)2005.2.19  1,500円  ■■
  「一頭のライオンに率いられた百匹の羊の群れは、一匹の羊に率いられた百頭のライオンの群れにまさる」という諺がある。

 という印象的な本文で始まる。
 流通業界のトップを一代で築き上げた風雲児中内功氏失脚後のダイエーに往時の面影はない。
 総会屋への利益供与、有価証券報告書虚偽記載事件で経営から退くことになった堤義明氏のいない西武も再編の大きな岐路に立たされている。

 先頭ライオンがいなくなって、立ちゆかなくなった会社もあれば、初めからライオンが存在せず、運命に翻弄される企業の代表は三菱自動車であろう。もっとも、ダイムラーに見限られることなく、ゴーンのようなライオンを寄こしてもらえば、今とは違った形にはなっていたのかもしれない。

 大きなライオンに率いられた松下電器は、中村邦夫という新しいライオンに率いられ、「破壊と創造」のもと、厳しい家電業界の中にあって松下電器を勝ち組に導いた。

 本書は、今風のリーダーシップ論である。伝統的な経営理論と現代の潮流をうまく組み合わせて、学問としても、実践論としても、読むことができる。特に、これから職業人として歩む若い人にとっても、情熱を燃え立たせるガイドとしての機能も果たしている。
 数年前、「チーズはどこに消えた?」がベストセラーになった。チーズとは、先人による成功体験がもとで、後年に至るまで子孫等が受ける恩恵のたとえだ。ビジネス界は、ぼやぼやしているとすぐに時代に乗り遅れる。売上や、利益、マーケットシェアはあっという間に奪われるだろう。企業が変わらなければならない。自分も変えなければいけない。それらを阻止する最大の敵は「自分」ということに気がつかなければならない。バブル後、日本は「失われた10年」を経験した。10年の間、お互い敗者どうしで傷を舐めあって、無為な時間を過ごしてきた。しかし、なかには「戦意」をむきだしにがんばった人たちもいる。

 「彼を知り我を知れば百戦危うからず」という孫子の言葉もある。まずは、自分を知ることから始めよう。自分を知るためには、比較する相手も知る必要がある。ライバルと比べて、自分あるいは自社の「強み」、「弱み」を分析をした方がいい。

 次に、あなた、またはあなたが所属する組織の「環境分析」も行う。何が「機会」で、何が「脅威」か知る必要がある。例えば、少子高齢化は多くの企業にとって、顧客の喪失かもしれないが、一部のシルバー市場を相手にしている企業にとっては、「機会」になる。

SWOT分析
「自己分析」
  強み(Strength)
  弱み(Weakness)
「環境分析」
  機会(Opportunity)
  脅威(Threat)

 特に、自己分析をするときは、ライバルに対して敵意あるいは戦意を明確にして、そのうえで比較をしないと、強み、弱みは、実感としてわかないだろう。SWOT分析を頭ではわかっているつもりでも、活用しなければ意味がない。ぜひ、自分にあてはめて分析することをおすすめする。

 自分のSWOT分析を行うと、自分のベクトルが見えてくる。そして、次に必要な作業は自分のベクトルと会社のベクトルを重ねて、軌道を修正する努力だ。自分ばかりが会社のベクトルに合わせる必要はない。会社のベクトルを自分のベクトルに引っぱるほどの気概を持ちたい。そして、実際に会社のベクトルを動かした者が次の時代のライオンリーダーになる資格を得るのだ。



徒然草「第百五十五段」

『生・住・異・滅の移り変る、実の大事は、猛き河の漲り流るゝが如し。暫しも滞らず、直ちに行ひゆくものなり。されば、真俗につけて、必ず果し遂げんと思はん事は、機嫌を言ふべからず。とかくのもよひなく、足を踏み止むまじきなり』

 意味は、台風や大雨の後の河の濁流こそ、人生そのものだ。「明日やる」「来年やる」では、人生に参加していることにはならない。今すぐ激流に飛び込めというようなことが書かれている。人生に潮時が訪れる。潮時を迎えたときに取る方針によってその人の価値が決まる。人が取る方針は、だいたい次の3通りに分かれる。

決断を実行する人
延期する人
断念する人

兼好法師は、そもそも「潮時」など考えるなと説く。やむにやまれぬ衝動のように、飛び込めという。決断は「考える」ものでなく、「感じる」ものだという。とにかく、体を前に踏み出す。自分を行動に駆り立てる。一歩踏み出すと、不思議なことに、後から、様々なエネルギーが集まってきて、あなたを後押しするので、動きはさらにダイナミックになるそうだ。

「千万人といえども我ゆかん」

 戦略を、行動を起こす前につくっていないから、だめだと言い訳する人がいる。「戦略」が実行しないことの言い訳になっている。アメリカのビジネススクールでは、「戦略の窓」という教え方をする。「戦略の窓」は、いつまでも開かれてはいない。SWOT分析をあらかじめ済ましておく。そして、「戦略の窓」が開けば、自ら飛び込み、激流の中で、戦略を動かして、ものにしてこそ、はじめて戦略に意味を持たせることができる。



 「指示待ち族」は、どこの会社にもみられる。

60%指示待ち族・・・言われたことの60%しかやらない。あるいはできない。一生ヒラで終わる可能性が高い。

100%指示待ち族・・・指示されたことを100%確実にこなす。課長ぐらいまでには出世する。

120%指示待ち族・・・指示されたことを100%こなすだけでなく、自分自身で創意工夫をしたことをプラス20%できる人だ。企業の役員コースまで登りつめることができる人たちだ。

 しかし、これからは、120%指示待ち族が会社をひっぱっていく時代ではなくなってきている。良い例が最近の企業で頻発する不祥事であろう。120%指示待ち族こそ、指示されたこと以上の成果を出して会社に貢献しようと思うので、不祥事に手を出してしまうのである。

 それは、どういうことかというと、常に、上司に対して良い結果を出そうとするが、会社の外、いわゆる世間に目が届かないため、法を守らず、とんでもないことをしでかしてしまうのである。

 ライオンリーダーは、「指示伝達」の組織を自ら先頭に立って、「指示創造」型に変えていく力を持たなければならない。組織の指示待ち体質を一掃し、現場から常に組織に提案して、創造していくような気概を持ったものに組織を変えていかなければがライオンリーダーになることはできない。

 「踊る大走査線」をご覧になっただろうか。本庁から送り込まれてくるエリート達がまさに、「120%指示待ち族」の象徴であり、どうしても「型」から踏み出せず、事件の核心に迫ることができない。「事件は現場で起きている!」派の青島刑事は、上司や本庁におかまいなしに、豊かな創造力と熱い情熱を持って、事件に迫っていく。この映画を観て勤め人が心動かされるのと同じように、「ライオンリーダー」も心に迫る読み物がある。



 これから、会社が生き残っていくためには、指示待ち族だけがはびこる組織ではダメだ。様々な戦略の芽が、職場から雑草のごとく生い茂ってくる会社でなければならない。知識やアイデアの雑草は、職場内の形式知ではなく暗黙知から、よく育つ。

 暗黙知は、それぞれの社員が抱える頭の中に簡単には表現できない知識としてあるので、なかなか表出されることはない。暗黙知が職場内で、まったく表出されないと、組織は意見の合わない社員が集まる烏合の衆となってしまう。無口の「暗い」会社になってしまう。会社を元気にするには、暗黙知を形式知に変えるシステムや雰囲気をつくらなければならない。

 暗黙知を形式知に変えるには、社員達に研修の場で「心配事」を語らせるといい。特に中堅幹部たちが直属の部下の心配事を聞いて、持ち寄れば、一度に100や200の心配事がいっぺんに露出化され、それを編集することで、会社にとって、大きな財産にすることができる。

 組織は指示待ち族でなく、自らが「場」を動かす力をもつ「トリガー」(引き金)たちの集まりであれば、どんな環境の変化にも即応できる自立的な力を発揮することができる。トリガー達が集まる組織で、ライオンリーダーが、タイミングよくトリガーを引くと、組織全体が共鳴・共振し、目標達成に向けて、大きなうねりが発生する。


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羊のリーダーで終わるかライオンリーダーになるか―組織は上に立つ者で決まる

皆木 和義 (著), 市川 周 (著)

価格: ¥1,575 (税込)

皆木 和義
1953年、岡山県生まれ。早稲田大学法学部卒。実践派の営業コンサルタントとして活動する傍ら、作家として文筆業にも従事。過去には、稲盛和夫京セラ名誉会長主宰の「盛和塾」や樋口広太郎アサヒビール元会長を囲む「広志会」の代表世話人を務めるなど、経済界に広い人脈を持つ。2003年に、「日経ビジネス」に連載した歴史小説『宮本武蔵』が好評を博す

市川 周
市川アソシエイツ代表。1951年長野県生まれ。75年一橋大学経済学部卒業。三井物産入社。米国・アジアの海外拠点で活躍後、97年に独立し、企業および自治体向け人材開発コンサルティング会社「市川アソシエイツ」を設立。「知行合一」型マネジメントリーダーの育成に注力。指導企業は100社を超える。一橋総合研究所常任理事、多摩大学非常勤講師、人事院公務員研修所講師等、幅広く活躍。2002年、地域経済再生を掲げ長野県知事選に出馬


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